「好きな仕事につく」と「仕事を好きになる」はどっちが強い?
うちのスタッフは本当にイキイキしています。
現場でもクライアントの方や工事関係者の方から「朝早くから夜遅くまで、ほとんど休憩もせずに本当にがんばりますね」「水を得た魚のようですね」などと、賞賛とも羨みともとれるお言葉をいただきます。
私から見ても、本当に楽しそうです。
実は私自身も、同年配の方々から「好きな仕事に打ち込めていいですね」とよく言われます。
「私が特別なのではなく、誰でもできますよ」というと、大体決まって「好きなことを仕事にできる人は、ほんの一握りの人だ」とあきらめに似た返事が返って来ます。
最近の若い人は、「好きなことを仕事にしたい」という傾向を強く感じます。
「絵を描くのが好きだから」とか「ものをつくるのが好きだから」といって多くの学生たちが訪ねてきます。
でも、いざ仕事に就くと、とても好きとは思えない人が多いことに驚きます。
我々の年配の人たちだって、最初から嫌いな仕事だとか、お金のために仕方なく働いた人は少ないのではないでしょうか。
最初は、興味や夢を持って仕事に就いたのに、だんだんつまらなくなったり、惰性的になったりしていっただけのような気がします。
好きな仕事を選んだはずなのに、つまらないとか、面白くないと言う人。
かたや、最初は好きで選んだわけではないが、一生懸命にやっているうちに、好きだとか、面白いと言うようになる人。
どうもこれは、「もともと好きな仕事というのがあるのではなく、好きになる人とそうでない人がいるだけ」のような気がします。
つまりは、その人の「心の姿勢」と「覚悟」しだい。
好きな仕事は、自分の外にあるのではなく、自分の内から掘り起すもののような気がします。
若い人たちが「好きな仕事」と言っているのは、情報によってつくられた「外見」や「イメージ」だけの場合が多いようです。
つまり、初恋のようなもの。
最初に頭の中にあるイメージとちょっとでも違うと、興味をなくしてしまう人が多いですね。
初恋の人と結婚する人はほとんどいませんもんね。
最初はキレイな人、カッコいい人に惹かれる時期もありますが、付き合っているうちに好きになっていく方が成就しますよね・・・・???(ハハハ)
「好き」からスタートすると、壊れやすい。
それは、多分自分の努力より、相手に求める方が大きいからではないでしょうか。
つまり、「好きな仕事」が自分の心を満たしてくれるという他力本願の考え方。
それより、自分の発想や努力が形になっていくことで喜びを感じていくという自力本願の方が、自分しだいでいくらでもふくらんでいきますよね。
何よりも毎日毎日が充実している。
その点、うちのスタッフたちは、インターンや壁画塾で実際の仕事を通して困難や苦しさを経験してから好きになった人たちですから本物です。
「人に喜んでもらえる仕事がしたい」と、彼らの口からたくましい言葉が返ってきます。
苦労して見つけた「好き」は、もう止まりません!