ウサギと亀の話

「もしもし かめよ かめさんよ 
世界のうちに おまえほど
あゆみの のろい ものはない
どうして そんなに のろいのか」(歌詞・石原和三郎)
という童謡がありますよね。

今回、ある幼稚園の園長からの依頼で「ウサギとかめ」のモニュメントを提案してくれというお話があり、いろいろと調べていくうちに面白いことを発見しました。

もともと「ウサギと亀」という話は、イソップ寓話が出典なのだそうです。

ウサギと亀がかけっこの競走をするお話。
駆け足の遅い亀は一時も休まず歩き続けます。
一方、足の速いウサギは途中、道端で昼寝を始め、寝過ごしてしまって、結局足の遅い亀が勝つという結末です。

それが、各国に伝わるうちにさまざまな解釈が・・・・。
・「多少の能力があっても、亀のようにゴールに向かって着実に歩き続ける者には勝てない」(日本の一般的な解釈)
・「寝ていたウサギを起こさないで走った亀は、競争で勝つことしか頭になかった。亀は、友情に欠ける。競争するより、仲良くせよ!」(ペルシアの話)
・「ウサギは昼寝していたのではなく、病気で苦しんでいたのかも知れない。それなのに、亀はウサギに声ひとつかけないで知らんぷりしてゴールに向かうなんて、冷酷非情なヤツだ」(インドの話)
・「足の遅い亀は、足の速いウサギに勝つための戦術を練った。自分そっくりの亀を集め、予め一定の間隔で道筋に隠れさせる。途中でウサギが『まだついて来れるか』と言うと、『ええ、すぐ後にいますよ』と亀の声。ウサギがいくらスピードを上げても、『すぐ後ですよ』と落ち着いた声。とうとう、ウサギは倒れてゴール前で死んでしまう。・・・・勝つためには、準備、知恵、チームワークが必要である」(アフリカのカメルーンの話)
*「たとえ弱者(中小企業)でも、知恵を絞れば強者(大企業)に勝つ方法は必ずある」(これは、私の解釈です)
・「ウサギは相手(亀)ばかりを見ていたから負けた。亀は、ゴール(目標、志)だけを目指して確実に進んだから勝った。相手に勝つことではなく、自分自身との闘いに勝つこと。そうすれば、必ずいい結果がついてくる」

もし、現代版の「ウサギと亀」の話をつくるとしたら・・・・・。

亀は、道端で寝ているウサギをみつけると起こしてあげました。
「ねぇ、ウサギさん、起きて一緒に走ろうよ。ボク一人で走ってもつまらないよ」
ウサギは亀に感謝して、亀と最後まで一緒に走りました。
亀は、楽しくて疲れも忘れて走ることができました。
しかも、ウサギの速さについていこうとがんばったので、前よりずっと速く走れました。
亀は、最後まで一緒に走ってくれたウサギに感謝しました。

と、こんな感じになるのでしょうか。

元は一つの話も、こんな風にさまざまなとらえ方ができるんですね。(フムフム・・・・)
同じ人でも、立場や置かれた状況によって、異なるとらえ方をすることもありますよね。
そんないろんな立場に立って、モノを見れるようになったら心が豊かになるような気がします。

ところで、さっきの「亀が、仲間を使った賢い戦法で勝った」と言う話。
もし、ゴールの近くで待っていた身代わりの亀が、最後にゴールしたのだとしたら・・・・・。
亀は、卑怯な手を使って勝った八百長だ、ということになりますね。
そこまで考えたくはありませんが・・・・・ハハハ。