ベトナム出張


ベトナム(ホーチミン)に出張しました。
10月10日(金)の夜出発で、13日(月)の早朝帰国というハードスケジュール。
目的は、求人面接です。
この2、3年、新卒者の質の低下、入ってもすぐあきらめる、などこれからいろんなことに挑戦していこうという当社の前に立ちふさがる人材の問題。
ならば、国内だけではなく、海外も視野に入れて考えようということです。
以前から、ベトナムやフィリピンがアート、中でも絵画が盛んで、若い技術者が豊富であることや、そのクオリティの高さについても見聞きしていましたから。

初めてで何も事情がわからないので、今回は先方の国営の機関を通しての面接、ということになりました。
初日の早朝から、現地の男性6名と面接。
40年位昔の日本の若者というイメージ。
私の青春時代の雰囲気がよみがえってきました。

素朴で、素直で、ハングリーで、皆好青年でした。
履歴書を見ると、20~30才で、高卒がほとんどで、専門学校卒が一人。
家が貧しくて、高校まで行けない人が多いということでした。
第一印象では、3人ほど候補がいました。
そこで、急きょ係の人にスケッチ用の紙と鉛筆を用意してもらって、テーブルの上にあった花をデッサンしてもらうことに。

私の想像していたイメージと先方が集めてくれた応募者とはかなりのズレがありました。
結果、今回は採用を見送ることにしました。

気持ちを切り替えて、午後からは、現地のスタッフにお願いして街を案内してもらうことにしました。
朝、ホテルから面接会場に行く車中から、絵画店が建ち並ぶ風景が目に飛び込んで来たので、そこに行ってみることに。

ありました、ありました。
以前から聞いていた模写作品ばかりの絵画店がズラリ!
額装されていない絵が無造作に何枚も重なって立て掛けてあります。
奥では、20代と思える若い画家たちが、黙々とキャンバスに向かっています。
私たちが壁画を描く時のように、迷うことなく筆が走り、すごいスピードで絵が仕上っていきます。
多分、一日一枚のペースって感じです。
売価も30号位の油絵が額なしで1万円以下と、旅行客にとっては驚く安さ。
現地の若者たちの月給が10,000~15,000円位ですから、現地の価値に換算すると15~20万円位でしょうか。
外国人旅行客にとっては手頃な価格なので、一人5枚10枚とお土産代わりに買って行くそうです。

20店ほど同業の店をのぞいてみました。
正に、ピンキリです。
本当に作品のクオリティの高い店から、首をかしげたくなるほど粗悪な作品が並んでいる店まで。
中には、現地アーティストのオリジナル作品を売っている店もあり、気になる作品があったので値段を聞いてみると、一枚10~30万ということ。
買えなくて残念でしたが、創作モノだから当然です。

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今回の出張は、求人では収穫がありませんでしたが、今まで日本国内のことばかりしか頭になかったのが、自分の世界が広がり、今後の仕事に広がりと可能性を予感して、ワクワクした気分で帰国の途につきました。

帰りの飛行機の中で、「いろいろと問題や障害は多いが、やっぱり日本の今の若者たちと一緒にアートの仕事を切り開いていきたい」と強く決意しました。