不器用は宝
世の中、ビジネスで大成功している人はたいてい不器用な人です。
皮肉にも、器用で利口な人の成功は稀です。
田舎で同級生に会ってビックリするのは、当時成績が悪くて不良だった人が立派な会社の社長になっていることです。
東大や京大、九州大といった一流の大学に行った連中は、大企業のエリートサラリーマンの道は進んだものの肩たたきで元気がありません。
学業もスポーツも万能でイケメンだった当時モテモテだった人も、今は平凡な人と結婚し地味な生活を送っています。
勘違いしないでください。
別に、どちらかがいいとか悪いという話しではありません。
その傾向は、まわりの人に聞いても同じような答えが返ってくるので、何か法則というか理由みたいなものがあるんじゃないかと思っただけです。
私の知っている社長をそんな視点で分類してみると、やっぱりその傾向が強いです。
これからは私の推測というか仮説です。
「有能な人」や「器用な人」「多才な人」は、何をやってもやっていけるから一つの道に打ち込まない。
よく聞くと転職が多く、どの仕事も長続きしていません。
いろんな能力を持っているがゆえに迷いが多く、一つに絞りきれないで一生終わってしまうのでしょう。
逆に「不器用な人」は、取り柄がない分一つの道に打ち込んで一心不乱に頑張る。
そう言えば、ロンドン大学の有名な博士がこんなことを言ってました。
「学校で成績のいい人は、大企業に入りなさい。成績の悪い人は、事業をおこして社長になりなさい」と。
私も大学を中退したので実力の世界しかなく、それで起業した一人です。
選択肢がたくさんある人はいつまでも悩み、選択肢のない人は早く決断し一途に突き進む。
先日NHKのTVで観たミシュラン三つ星店「すきやばし次郎」のすし職人・小野二郎さんの言葉もよみがえってきます。
「家庭の事情で7歳の時から料亭の奉公に出された。生来不器用で何をやっても人の倍以上時間がかかり、いつも怒鳴られてばかりいた。『自分には帰る場所がない』から自分の仕事に没頭した」と。
何と82歳で現役バリバリのその姿に感動しました。
「修業は一生終わらない」という言葉も重かったですね。
「不器用」は、神様からの贈り物なのです。