ビッグアートって何の会社?

毎週のようにアートの仕事を求める学生や社会人の方が会社を訪れます。

そのほとんどが制作を希望する人。
ただ「絵を描きたい」「ものをつくりたい」という人が多すぎて対応に困っています。
どうもビッグアートの仕事の本質をまったく理解しないで来る人が多いのです。
私がブログを始めたのは、ビッグアートで目指すゴールを強烈にアピールして、価値観を共にできる人が集まり、そうではない人が間違って来ないようにしたかったからです。

ビッグアートでは、確かに壁画も描きますし、デザイン塗装、オブジェの制作もしますが、制作することが目的でもなければ、それが仕事の中心(本質)でもありません。

ビッグアートが目指すのは、お客様の抱えている悩みや課題を解決することです。
その手段として、デザインとアートをメインにかつ効果的に活用しているのです。
お客様とは、個人や企業、商店街、自治体など様々です。

お客様の悩みや課題も様々です。
・入りやすい店にしたい。
・店や会社のイメージを変えたい。
・店のコンセプトと外装イメージのギャップをなくしたい。
・街並みの雰囲気やイメージを変えたい。
・通りの人通りを増やしたい。
・ライバル店に負けない店にしたい。
・家族が明るく、ポジティブになるような雰囲気の家にしたい。
・孫が遊びに来てくれるような部屋にしたい。
・お店や商店街の活気を演出したい。
・デッドスペースをなくしたい。
・人通りを誘導したい。
・好感を持たれ、親しまれる店にしたい。
・もっと印象に残る建物にしたい。
などなど、 毎回新しい問題や課題を持ち込まれます。

そこには、どこにも「壁画を描いてほしい」とか「オブジェや立体造形をつくってほしい」という言葉は見当たりません。
私自身も最初から壁画やオブジェをつくることを前提にお客様と話す訳ではありません。
お客様の悩みや課題をヒアリングして、その上で問題を整理します。
次に、どんな手法で解決するのが一番効果的でかつコストパフォーマンスがいいかを考えます。
お客様の立場になって考えた時、解決方法がアートやデザインではない、つまりビッグアートではお役に立てないという場合もあります。

例えば、
・店頭にベンチや置物を置くだけで解決できる。
・植栽やポケットガーデンをつくった方が効果的だ。
・建物をライトアップするだけで十分だ。
・お客様自身で手づくりした方が効果的だ。
といった簡単で安上がりな方法があれば、アドバイスだけして引き下がる案件も少なくありません。

このように、お客様からの問い合わせがあってから、ヒアリング、現場調査、資料収集、プランニング、デザイン、プレゼンといった長~いプロセスの作業を経てやっと制作にたどり着く訳です。

制作しかできない人はその間出番はなく、ず~っとベンチを温めているしかありません。
出番の少ない人を常勤社員として抱えるのは会社として困難です。

コンセプトワークやデザインについては社内で研修・訓練をしていますが、最低限まちやお店、住宅などに強い関心と好奇心を持っている人でないと絵を描けるだけではハッキリ言って厳しいです。

絵を描くだけでは、なかなか仕事には結びつきません。
絵を誰のため何のために描くのか。
そのためにはどんなデザインであるべきか。
これから描く絵がどんな効果(成果)を目指すべきか。
絵を描いた結果、本当にその効果(成果)を出せたのか。
もっともっとほかにいい方法、いいデザインはなかったのか。
そのことを常に自分に問いかけ続けなければ、仕事に何の進化も成長の期待できません。

絵や造形の仕事ということで、絵画科や彫刻科の学生が大勢やってきますが、
ビッグアートの仕事の本質は「空間演出デザイン」です。
建物の雰囲気やイメージを自由自在にあやつり、目標とするイメージを実現すること。
その意味ではむしろファッションデザインや舞台美術が一番近いと思います。

また、これまで美大やデザイン専門学校ばかりを求人の対象にしていましたが、経営学科、マーケティング学科、心理学科など幅広く人材を求めなければいけないと痛感する毎日です。