粕壁宿を演出するシャッターアートたち(その4)

日光道中・粕壁宿のシャッターアート制作は大詰めに入りました。
2011年の年末ギリギリに完成したシャッターアートを紹介します。

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文化通りにある「上町会館」です。
上町のみこしが保管されています。
そこで上町のみこしを描きました。
町内会から支給されたみこしの写真や実際に着用しているハッピの柄などを忠実に表現しました。

粕壁宿のもう一方の入口である小渕にある「山田桐箪笥製作所」。
天明2年(1782年)創業という伝統ある桐箪笥の製造元です。
タンス職人が100年以上も使い込んだ道具たち。
どれも珍しいものばかりです。
タンスの金具も時代によって形が違うし、取り付け方にも様式があります。
七代目・伝統工芸士の山田章さんから事細かに指導を受けながら忠実に表現しました。

明治43年創業という「市川寝具」。
赤ちゃんをあやして寝かしつける婦人を描きました。
虎は創業者の虎之助さん。
祖先から母、孫へと家系がつながり、それを祖先の虎が見守っている、という意味を込めて表現しました。

明治時代から寺小屋に教科書などを納めていたという老舗の「紅雲堂書店」。
寺小屋で読み書きを教えている風景を描きました。

こちらは一般の民家「村田邸」です。
家業が建築業ということで、江戸時代の大工職人の作業風景を描きました。

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以上、今年になって26ヶ所が完成しました。
制作中に多くの商店主や市民の方に声を掛けられ、今回のシャッターアート事業の主旨について理解していただき、機運が盛り上がって来たことを実感します。
春日部駅東口(旧「粕壁宿」)という狭いエリアに26ヶ所のシャッターアートが集中しているため、多くの市民の方が気付いてくれるようになりました。

以前、2004年にロビンソン通り(かすかべ大通り)の歩道にある変電ボックスに描いた絵があります。
粕壁宿の旧い町名とその町の特徴をシルエットで描いたものです。
「新々田」「大砂」「三枚橋」「新宿」「裏町」「中宿」「上宿」「陣屋」「内出」「寺町」というかつての町の歴史と合わせて
これらのシャッターアートを見ていただけると、より粕壁宿の歴史を感じていただけると思います。

春日部駅東口のもう一つの顔「粕壁宿」をいにしえに想いを馳せながら歩いてみませんか。
変電ボックスやシャッターアートの街角絵巻がまち歩きの水先案内をいたします。

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シャッターアートをはじめとする宿場町の面影再生事業はまだまだこれからも続きます。
粕壁宿に多くの人々が戻ってくるまで!