壁画日和

春日部駅東口で展開している「日光道中・粕壁宿」のシャッターアート。
昨年一年間で26ヶ所を描き、今年になってさらに4ヶ所が進行中です。
この冬は寒さが厳しい上に、風も強く現場制作は大変です。
夕方4時過ぎになると、手がかじかんで感覚がなくなってしまいます。
暗くなるのものも早いので、仕事開始は毎朝7時。

でも、今日は風もなく温かいので久しぶりの壁画日和です。
今日は、駅前の「寿タバコセンター」と東陽寺の隣の「矢部製麺所」の二手に分かれての壁画制作。
2ヶ所とも日曜日だけしか作業ができないので、1月初めから毎週日曜出勤が続いています。

私は、2現場を何度も行ったり来たりしながら矢部製麺所の制作も担当。
まち歩きをする人たちが、次々と立ち止まって見ています。
東陽寺の隣ということで、東陽寺ゆかりの松尾芭蕉と粕壁宿の古地図を描いています。
歴史巡りの人や代々粕壁地区に住んでいる人にとっては、古地図がうれしいらしく、しばし地図を見ながら昔の粕壁の話に花が咲きます。
特にお年寄りの人が、目を輝かせてイキイキとした表情で私たちに話しかけてきます。

いままではただ通り過ぎていた近所の人たちも、昔を懐かしがって井戸端会議。
知らない人同士が話しかけたり、挨拶をしあう光景が何度も見られました。
私も、地図や芭蕉の句の説明をしたり、壁画の話をしたり、楽しみながら制作ができました。
壁画を通じて、まちの人々とつながっている。
スタッフたちも、シャッターアートの活動を始めてから毎日、自分とアートとまちや社会がつながているということを身をもって感じているようです。
施主のおじいさんも、知らない人から次々と声をかけられ、30分も1時間も話し込むことなんて今まで一度もなかったと感激していました。
正に、シャッターアートの副次的な効果です。

こんな風にシャッターアートの前で、行き交う人々が立ち止まり、声を掛けたり、知らないもの同士でおしゃべりをする光景があちこちで見られるようになったら、確実に街に元気が戻ってくる。
そんな確信を持ちました。
街を歩く人たちが、明るく声を掛け合い、しゃべり会う。
そんな風景をを想像するだけで、ワクワクします。

活気ある街って、大きなショッピングセンターやチェーン店がたくさんあって車の往来が激しい街ではなく、
歩く人が多く、しかもその人たちがイキイキとして楽しそうな姿を言うのだと思います。
そんな街を目指して、明日からまたがんばります。