集客につながらない看板は、無用の長物
ビッグアートに来るお客様は、ほとんどがお店の<看板>や<外装>についての相談です。
ただ、お話して驚くのは<看板><外装>の重要性についての認識の低さです。
昨日もある漢方薬局のお客様からのお問合せ。
「看板が古くなって壊れそうなので、アイデアマンの社長にアドバイスして欲しい」というお話でした。
現場に行ってみると、大きく「ぢ」という文字の看板とその横に「すぐそこ」と矢印の看板の2つが立っていました。
どうやら「すぐそこ」という看板が壊れているから、作り替えるとしたらどんな看板がいいか、ということでした。
私の提案です。
「すぐそこ」の看板は撤去するだけで新しくする必要はありません。
隣の「ぢ」の看板に「すぐそこ」と矢印を書き加えるだけでいいです。
お客様「ああ、そうか。それだけでいいんですか」
私「ところで、隣の『ぢ』の看板は、問題ないんですか」
お客様「まだ、そんなに古くないし、まだ大丈夫です」
私「看板の耐久性ではなくて、看板の内容はこのままでいいんですか」
お客様「『ぢ』という字が大きくて目だつので気に入っているんですが」
私「痔の患者さんが多いんですか。この薬局の得意分野も痔なんですか」
お客様「いや、最近はアトピーのお客さんが多いです。それに、アトピーに関しては絶対に直せる自信があります」
私「じゃあ、『ぢ』という表現はもうこのお店に合わないのではないですか。看板が新しくても訴求内容や表現方法が今のお店と合わなければ、効果のない看板をつけていることになります。」
お客様「そりゃそうですよね。言われてみると社長の言っていることは的を得てるし、当然のことですよね。なんでそこに気がつかなかったんだろう。いつも、聞くことが新鮮なことばかりで勉強になります」
お客様も感激してくれて、「お店の方向性とアピール・ポイントをじっくり相談に乗ってください。10月一杯までに看板全体をリニューアルします。よろしくお願いします」と言っていただきました。
このお客様に限らず、看板のお客様のほとんどがそうです。
お店の売上が低下していても、看板が壊れない限り、看板の見直しは全くしないというのがほとんどです。
それなのに、チラシや広告雑誌などに次々とお金をかけているケースが目立ちます。
看板は、365日24時間人の目に触れているのですから、広告宣伝の最もメインに位置づけるべきです。
看板は、お店の姿そのものを表現してなくてはいけません。
看板のリニューアルの目安は、ハードの老朽化ではなく、ソフトつまり表現内容のギャップや陳腐化です。
お店の実体と看板との間に、差異が生じたら常に調整しておく必要があります。
看板はついていればいいではなく、通る人々にお店の魅力を十分に伝えているかが重要なのです。