安売りは麻薬
日本中が安売りムードです。
ユニクロ、ニトリ、すき家、ヤマダ電機・・・枚挙にいとまがありません。
しかも、とどまることを知りません。
「安売り」を企業の使命、企業のコンセプトとして積極的に行っているのならば、とりあえず是としましょう。
大半の企業は、「生き残るため」「仕方なく」安売りに走っているのが現状だと思います。
安売り競争に一旦入ってしまったら、もう泥沼です。
抜け出せません。
しかも、どこまで下げても終わりのない底なしの沼です。
リーグ戦(総当たり勝ち残り線)のゲームと同じ。
チャンピオンだけしか生き残れないのです。
最後まで勝ち残る自信がなければ、絶対に参戦してはいけません。
万が一チャンピオンになって生き残っても、買ってくれていた客も弱り果てて来なくなって結局は行き詰まり。
もうひとつ、安売りには落とし穴があります。
他社が絶対に対抗できないような極端な安値をつけたとします。
通常「相場が1,000円」の商品を「信じられない100円」とか。
その瞬間だけは客が殺到し、大成功のように見えます。
でも、次にまた100円で売っても消費者はもう飛びつきません。
もう、消費者にとって相場が100円になってしまっているのです。
どうやら今の日本人は経済感覚が完全にマヒしているようです。
自分の収入だけは相場に厳しいくせに、高いコストのかかっている商品やサービスが「0円」で売られても何の疑問も感じなくなってしまった。
0円ビジネスの弊害です。
今の日本では、例えどんなに安売りしても、効果があるのはその瞬間だけで、その次の瞬間にはもう当たり前になってしまい、安売りのインパクトは継続しないのです。
このまま安売り競争を続けていくと、企業は減り、雇用も給与も減り、限りなく縮んでいく。
日本の消滅です。
まずは安売りという麻薬を断ち切ること。
そのためには人と同じ土俵に入らないこと。
独自のビジネス領域、独自の商品や技術の開発。
つまり、それぞれの企業がオンリーワンを目指すことだと思います。