少数精鋭主義

「少数精鋭主義」という言葉があります。
一般には、「優れた人だけを少人数集めること」を言います。

でも、実際はその逆なような気がします。
「少人数にすると、精鋭になる」が当たっていると思います。
全員が100%、150%の能力を発揮し、チーム全体としてすごい力を発揮する。

逆に、人数を増やしていくと100%の力を発揮する人は一人二人になり、残りの大半の人はただそれに追従するかぶら下がる形になる。
大きな都市や大きな企業からはなかなか偉人が出てこないというのもその辺に原因があるのだと思います。

少人数の会社では、まず分業は成り立ちません。
当社もそうです。
企画からデザイン、制作、現場施工にいたるまで私を含め全員で行います。
社長の私自身、便所掃除から花の水やり、買い出し、スタッフの現場までの送り迎え、アトリエの補修作業にいたるまで何でもこなします。

分業は、一人一人の能力を狭めます。
視野が狭くなり、全体的なとらえ方が不得手になります。
身勝手な行動をとりやすくなります。

少人数のチームは、誰一人欠けても皆が困ります。
逆に言うと、一人一人の存在感が大だということです。
全員にスポットライトが当たるということ。
全員が輝くということ。

私自身、九州の山の中の小さな村(人口3,000人・世帯数800戸程度)で生まれ育ちました。
同じ村出身の人たちを見ると、皆個性的で、輝いています。

ビッグアートの会社をスタートした時、決意したことがあります。
小さな会社でいいから、一人一人の個性が輝く会社にしたい。
小さくても世の中に大きな影響を与えられる会社にしたい。
ということです。

そこで、会社設立時に作ってもらったロゴマークがこれです。

まじめで責任感の強いヤツ。
ふざけてばかりいるヤツ。
研究熱心でいつも何かを追求しているヤツ。
冷静でいつも落ち着いているやつ。
おっとりしているヤツ。
奇抜でいつも面白いことをやるヤツ。

めざすゴールは一緒でも、いろんな色の人が互いの欠点を補いながら進んでいく。
そんなイメージです。
今も、その考えは設立時とまったく変わりません。
むしろ、その考えは年々強くなっています。

企業の合併統合で企業はどんどん巨大化していく。
市町村合併で、小さな村や町が消え、無個性な新しい市や町が生まれていく。
いったいその後どこに向かうのでしょうか
組織は大きくなると、まず個性を失う。
次に、方向性が見えなくなる。
そこで働く人々も、働く喜びや達成感が感じられなくなっていき、モラール(労働意欲)が低下していく。
そんな気がします。

ビッグアートは、めざす目的や方向性を絞り込み、個性のある企業をめざしたいと思います。
アートとデザインの分野で、「誰もがやらないこと」「誰もがやれないこと」にチャレンジし、オンリーワンへの道を信念を持って突き進んでいきたいと思います。