「日光道中・粕壁宿」景観アートプロジェクト

春日部駅東口地区は「旧日光道中・粕壁宿」として栄えた宿場町です。

最近、市民の高齢化が進んだせいでしょうか、まちを散策するお年寄りをよく見かけるようになりました。
「ぷらっとかすかべ(かすかべ情報発信館)」ができ、観光ガイドのボランティアの方々の活躍も功を奏しているようです。
まちの散策コースが6つもあるそうで、団体の観光客をガイドしている光景も珍しくありません。
観光のまち「かすかべ」への動きがようやく形になってきたようです。

私たちも、アートで「まちの景観づくり」や「ストーリーづくり」をお手伝いするチャンスです。
・まちなかにある史跡や老舗や古い街並みを壁画でつなぎ合わせ、「点」を「線」にしていくこと。
・近代的なビルに挟まれて見捨てられているように見える史跡や古い家を、当時のような魅力に蘇らせ、周囲の景観がそれらを引き立てるように修景デザインを施していくこと。
・現状のまちの景観からは感じ取りにくくなった歴史やまちのストーリーを、壁画で再現、補完することで観光ガイドの役割を果たし、まち歩きを楽しくすること。

具体的には、
・老朽化した古い建物を、べんがら塗料やしっくいなど風情のある伝統的な材料や手法で修復、再生する。
・老舗店には、日よけ幕やのれん、家紋、欄間看板、金箔カマボコ文字看板などで老舗感を演出する。
・シャッターや外壁に壁画を描いて、時代感(江戸、明治、大正、昭和初期)を演出したり、粕壁宿の歴史を再現し、街並みにストーリーをつけていく。
・店頭閑地を活用してポケットガーデンやもてなしのオブジェを設置し、くつろぎ感やワクワク感を演出していく。
などなど。

従来のハード型のまちづくりではなく、人々の心や感性に訴えるソフトなまちづくり。
便利さや快適さ重視の都市開発ではなく、「温かさ」「遊び心」「出会い」「発見」「感動」といった人々の心に響くまちづくりが求められていると実感します。

その意味では、アートやデザインが本領を発揮する「出番」の時だと思います。

一朝一夕でできることではありません。
5年、10年と長い年月をかけて、着々と続けていくことです。
ただ、もたもたしているとチャンスを逃しかねません。
タイミングとスピードも成功のカギを握っています。

そのため、達成目標と行動計画を立て、優先順位を決めて即行動しなければなりません。
今年は全社挙げて、まちのシャッターや外壁に壁画を描いていきます。
目標は、今年度内に30ヶ所達成。
それは、「発火点」を意味します。
今年すでに、9ヶ所を施工しましたので、残り21ヶ所です。

不安がないといえば嘘になりますが、何が何でもやり抜かなければなりません。
「粕壁(かすかべ)」が元気を取り戻すために!