会社説明会について

弊社では、求人またはインターンの応募に際して、必ず会社説明会に参加していただくようお願いしております。
ただ「絵を描きたい」「ものづくりをしたい」というだけで応募してくる人が後を絶たず、途中で挫折する人が多いというのが理由です。

会社説明会で伝えたいことはは、大きく4つあります。

まず第1に、「絵を仕事にする」ということはどういうことか。
学校で描いていた絵と、仕事で描く絵は、根本的に成り立ちが違います。
基本的に自由課題ではありません。
つまり、自分の好きな絵を描くわけではありませんし、面白ければいいわけでもありません。
仕事ということは、絵を依頼する顧客が必ずいます。
絵を描く目的が必ずあり、テーマやコンセプトがあり、クリアすべき与件があり、納期と品質基準があります。
仕事である以上、当たり前のことです。
まずそのことを、理解する必要があります。

第2に、「会社に入って絵の仕事をする」ということはどういうことか。
会社で絵を描くいうことは、チームワークが絶対条件です。
協調性と責任感が求められます。
また、全員が同じ仕事をするのではなく、一人一人の役割分担(守備範囲)があり、各人が日々能力やスキルの向上をめざす必要があります。
内定や入社がゴールではなく、出発点についたにすぎません。

第3に、絵を描くことは共通していても職種が異なれば、求められる要件が全く異なるということ。
絵を描く仕事というと、イラストレーター、漫画家、アニメーター、似顔絵作家、絵本作家、肖像画家、壁画家などが代表的ですが、仕事の環境はもちろん求められる能力要件が全く異なります。
評価や達成感の形も違います。

第4に、全く同じ業種、職種であっても、会社が異なれば「考え方」「価値観」が全く違うということ。
同じ仕事を行う同業者同士でも、会社の目的や成り立ちが根本的に違うものです。
制作中心の会社、営業中心の会社、デザイン中心の会社、企画中心の会社など、経営者の得意領域や志向などによって尖っているものが大きく異なります、
売上や効率を最重要視する会社もあれば、会社のこだわりや働く人の達成感を大切にする会社もあります。
会社によっては、同じ業種とは思えないくらい考え方や価値観が違うものです。
考え方や価値観が違うということは、仕事の評価基準(モノサシ)が違うということですから、同じ働きをしてもその評価は真逆になることもあります。
つまり、A社で高い評価を受けていた人が、同業のB社に転職すると全く評価ゼロ、下手すると邪魔者にもなりかねません。

「絵を仕事にするということ」「会社を選ぶ」ということは、自分の人生を大きく左右する決断をするということ。
決してびびる必要はありませんが、最低限そのことを意識して決断して欲しいと思います。

これからは、仕事をして売上を上げ、給料をもらうだけの関係では、会社も働く人もやっていけない時代です。
現代では、仕事に喜びを感じられなければ働く人はストレスがたまり、しまいにうつ病になり壊れてしまう人も珍しくありません。
それは、もちろんそれは会社にとっても大きなマイナスです。
仕事を楽しみ、発展させたいと思う社員で固めていかなければ、会社もいつかは衰退してしまいます。

会社の考え方や価値観、独自性を共有して、「楽しく」「のびのびと」「安心して」働いてくれる人、つまり「同じ方向性をめざす人の集まり」の単位が会社だと思います。
この会社をきちんと理解し、共鳴していただける人だけに応募していただきたいと思い、ブログを通して呼びかけています。

技術的な能力やスキルより、仕事や人生をとことん楽しむという考え方や価値観を共有することにできる人を求めています。
そして、多くの応募者よりたった一人の有志(勇士)との出会いを期待します。