雇用のミスマッチ時代
大量失業時代と言われて久しいですが、その傾向は一向に止まらないようです。
特に失業率が高いのが、15~24歳の若年層です。
不況による企業側の雇用意欲の低下や人員削減。
若年層の将来への失望感、就業意識の低下。
などがよく言われます。
しかしながら、求人需要と就職需要を比較すると、求人需要が多い筈です。
つまり、仕事を選ばなければ就職できるが、選ぼうとすると職にありつけないということです。
戦後の貧しい時代であれば、贅沢な悩みということになります。
要は、雇用する側と働き手の間に意識の大きなギャップが生じているということでしょう。
そこに雇用のミスマッチが生じているようです。
経営者は、経営環境の急激な変化の中で生き残るために迅速に対応していかなければなりません。
そのためには、社員の意識改革と行動の変化が急務です。
現代は、人材教育こそが企業存亡のカギと言われます。
従来の考え方ややり方では企業経営が成り立たなくなっています。
ということは、経営者の意識変革、社員の意識変革が企業存続のカギということになります。
経営者の意識が変わらない企業は、衰退したり、社員が辞めていきます。
逆に、経営素の意識が変わっても社員の意識が変わらないと生産性が落ち込み、競争に負けて淘汰されていきます。
時代の変化に対応して変わろうとする企業は、求める人材像が変わってきます。
社内改革、社員の意識改革(=社員教育)と積極的に取り組むようになります。
既存の仕事やそのやり方に甘んじている社員、特に古参社員ほどは大きな抵抗をします。
しかし、全社的な意識改革という大事業を成し遂げなければ、企業の存続はありません。
ここで変わりきらなければ、倒産しかありません。
その結果、ついてこれない人は去って行くか解雇ということになります。
かたや、時代の変化に対応しようとしない経営者もいます。
そういう企業は、優秀な社員ほど不満や危機感を抱き、自ら会社を去って行きます。
せっかく、好きな仕事と思って入社した新入社員も、やりたいことをやらせてくれないと気づき去って行きます。
取り残されたのは経営者だけということになります。
先進的で積極経営をする会社にとっては「いい人材がいない」、能力も意識も高い人にとっては「入りたい会社がない」という状態が今の姿なのでしょう。
先行きの見えにくい中で、右往左往したり、迷って決断できない経営者と職を求める人たち。
実は、この層に企業も人も集中している、ということだと思います。
いずれにしても、働く側だけではなく経営者も、生き残りを賭けて意識改革をしていかなければならない時代だということです。
最終的には時間が解決していくのでしょうが、その時が来るのをただじっと待っているわけにはいきません。
考えて考えて考え抜く。
シナリオを書くように、何通りも将来予測をしてみる。
今起こっている社会変化、その原因や背景。
その中で、企業がどう変わって行かなければならないのか。
どこに成長の方向や出口を求めるのか。
働く人も企業側に求めるだけではなく、「社会や企業は自分に何を求めているのか」「自分に何ができるのか」を考えなければなりません。
ただ高学歴の優位性だけで大学や専門学校に進学したり、様々な資格を取ったりしても全く無意味です。
目的や目標がないのに手段だけを考えても出口は見つかりません。
知識や技術はその気になれば、何歳からでも身につけることはできます。
そんなことより、「自分がどう生きたいのか」「どうなりたいのか」を考えることが大切だと思います。
会社も同様です。
「この会社は何をめざすのか」「どんな会社になりたいのか」。
「企業は利益を求め続けることが使命だ」と言われますが、極大利益を求めるだけが存在意義ではありません。
企業のあり方や価値観もこれからは多様であるべきです。
私自身、2000年あたりから10年以上もず~っと自問自答してあがいてきました。
たくさんの試行錯誤、失敗を重ね、ようやくこの1年、進むべき道が見え始めてきました。
人は、決意と覚悟をしたときにものすごい能力を発揮するものです。
そして、その人の周りで次々と奇跡が起き始めます。
この仕事を始めて20年。
これだけの長い年月や経験、思考を重ねなければ、こんな気づきにたどり着けなかったと思います。
それは、どんな時でもあきらめなかったことだけです。
両親や祖父母の教育、多くの師匠や先輩の指導に恵まれたことに心から感謝します。